ASUS、ZOTAC、玄人志向など何が違う?グラフィックスカードメーカーの特色を紹介

グラフィックスカードを購入する際にNVIDIAやAMDなどの中でどのモデルのGPUにするか選んだら次に選ぶべきものはグラフィックスカード『メーカー』ですが、このメーカーは数多くのブランドがありどこの国のメーカーなのか、それぞれの特徴や違いなどが分かりにくい場合もあると思いますので、ここでは国内で比較的有名なグラフィックスカードメーカーそれぞれの違いをまとめました。

GPUとグラフィックスカードメーカー

まずは用語の整理から。主にゲーミングPCや自作PCでゲームをする際に多くの人が耳にする『GPU』ですが、購入してパソコンに差し込んでいるものは正しくは『グラフィックスカード』と言います。

と言うのも、GPUと呼ばれるものはグラフィックスカードに内蔵されたチップの一つで、GPU単品では動作せず電源回路やVRAMを搭載した基板そして、冷却ファンなどが必要となり、これらを組み合わせたものがユーザーには『グラフィックスカード』として販売されています。

多く存在する『グラフィックスカード』のモデルとメーカー

グラフィックスカードに内蔵されているGPUについては『NVIDIA』か『AMD』、『Intel』の三社しか存在せず、NVIDIAであればGeForce GTXまたはRTXシリーズ、AMDであればRadeon RXシリーズ、IntelはArcシリーズとメーカーとブランドは限られており、GPUの性能はコア数や動作クロック、VRAM容量そして、ベンチマーク結果などで大まかな性能は把握が可能です。

しかし、問題は『グラフィックスカード』の方です。GPUにNVIDIA GeForce RTX 3080を搭載したグラフィックスカードを例に置くと、モデル数だけで32機種、メーカーは12もあります。

性能上、GeForce RTX 3080が欲しいと決めたのに、実際に買うとなるとどれを選ぶのが正解か分からないという状況に陥る事もあると思いますので、ここでは日本国内で比較的有名なASUS、GIGABYTE、MSI、Palit、ZOTAC、玄人志向など6社それぞれの違いについてまとめていきます。

比較するのは、以下の点です。

  • 会社の概要
  • 製品の特長
  • 価格帯
  • 保証内容

ASUS製グラフィックスカード

ASUSの概要

ASUSは正式にはASUSTekと言うメーカーで恐らく自作PCに触れる機会があれば一度は耳にしたことがあると思います。本社は台湾に存在している企業で創設してすぐはDOS/Vマシンのマザーボードを輸出を行ったりするなど自作PC業界に古くから参入しているメーカーとなります。企業規模としては従業員数は6000人、売上高は2兆円近い大企業となっています。

製品の特徴

ASUSは企業規模としては非常に大きいため、グラフィックスカードのラインアップはエントリー向けからハイエンド志向まで幅広く販売がされています。ただ、ASUSに関してはブランド力があるためか、どちらかと言うとハイエンドモデルの方が有名でROG(Republic of Games)ブランドの中で最上位となるROG Strixでは特徴的なデザインと一部モデルではデフォルト状態でオーバークロックがされたモデルなどがラインアップされています。デザイン的にはどちらかと言うと典型的なゲーミングPCと言うモノが多く、ハイエンドモデルではRGBで光り輝くデザインの製品が多くなっています。

GEFORCE RTX3060搭載 PCI-Express x16(4.0) 対応 グラフィックボード

価格帯

ASUS製グラフィックスカードについては特徴で記載した通り、ブランド力がある事からハイエンドモデルが中心にラインアップされている場合があります。特にROGブランドは高価格帯製品で同じGPUを搭載するグラフィックスカードに対して1~5万円程度高く販売されている場合があります。一方で、TUF Gamingなどコスト重視のブランドでは同じGPUを搭載するグラフィックスカードの中では安価に販売されている場合も多いです。

保証内容

日本で販売されているグラフィックスカードの多くは本社から正規代理店を通じて日本に輸入されている事がほとんどで、ASUS製グラフィックスカードも正規代理店経由でTSUKUMOやパソコン工房など各量販店で販売が行われています。製品の初期不良や故障時の対応はこの正規代理店が対応する事となっており、ASUS製グラフィックスカードを取り扱う正規代理店は『テックウィンド』と呼ばれる会社が担当し、保証期間としては初期不良などは1年間保証となり、それ以降は有償修理対応となります。

GIGABYTE

GIGABYTEの概要

GIGABYTEも自作PC界隈では有名な企業で本社は台湾に存在しているメーカーとなります。主な製品はマザーボードで、その後グラフィックスカードや自社ブランドのラップトップなどを販売するなど事業の拡大をしています。企業規模はASUSに比べると小さいものの、従業員数は約2700人で売上高な約4000億円となっています。

製品の特徴

GIGABYTE製グラフィックスカードはAORUSと呼ばれるハイエンドゲーミングブランドからGAMING、VISION、EAGLEなど多くのシリーズを持っています。AORUSに関してはハイエンドモデルという事でオーバークロックモデルかつ大型冷却ファンなどハイエンドモデルに相応しい仕様になっています。一方、GIGABYTEが他のブランドと大きく異なる点は『VISIONシリーズ』で白筐体のシンプルなデザインのモデルなどがラインアップされており、見た目がシンプルな自作PCを作りたいユーザーにはありがたい存在になっています。

GeForce RTX3060搭載 グラフィックボード(LHR)

価格帯

GIGABYTE製グラフィックスカードは価格.com上では最廉価モデルであるEAGLEシリーズでも若干高めに位置しており、安さを求めるのであればあまりオススメとは言えなさそうです。一方で、VISIONシリーズなどデザイン面では独自性を持っている他、後述の保証内容が他のメーカーに対して充実している点がメリットと言えます。

保証内容

GIGABYTE製グラフィックスカードはCFD販売株式会社が正規代理店となっています。保証内容としては初期不良時は2年まで対応、購入30日以内にGIGABYTEサイトでシリアル番号を登録すれば4年に延長されるなど保証内容は最も充実しています。

MSI

MSIの概要

MSIはMicro-Star Internationalと言う企業名でそれらを略してMSIと呼ばれています。こちらの企業も台湾に本社があり、企業規模としては従業員数は約2700人、売上高は約9000億円となっています。

製品の特徴

MSIではハイエンドモデルのSUPRIM、ミドルレンジのGAMING、エントリーのVENTUSの3シリーズがラインアップされており、SUPRIMに関しては一部モデルでは3スロット厚のGPUクーラーを備えたモデルとなっています。一方でGAMINGでも高い冷却能力を持つファンを複数搭載するものの、RGBなどは多く搭載していません。また、VENTUSに関してはGAMINGと筐体自体は似ているものの、RGBは無しでベーシックなモデルとなっています。

GEFORCE RTX 3060 (LHR) 12GB 192-bit GDDR6 PCI Express対応ビデオカード

価格帯

MSI製グラフィックスカードの中でSUPRIMに関してはハイエンドモデルという事で高価となっていますが、ミドルレンジのGAMINGやエントリーのVENTUSに関しては同じGPUを搭載するモデルの中では発売後数か月後には比較的安価に販売されている事が多いです。一方で、発売直後はASKと呼ばれる大手の正規代理店が取り仕切っている関係上、入荷量は多いものの他が品薄の中でも販売が可能という事で他のモデルより高めで販売されている場合があります。

保証内容

MSI製グラフィックスカードはASKが正規代理店となっています。保証内容としては初期不良時は1年まで対応となっており、一般的な保証期間になっています。

ZOTAC

ZOTACの概要

ZOTACは2006年に香港で創業された企業で、主に電子機器受託製造サービスであるEMS事業を手掛けるPC Partner社の子会社としてスタートしています。ZOTACでは主にグラフィックカードの他、Mini-PCやSSD、ゲーミングPCなどを手掛けています。

製品の特徴

ZOTAC製のグラフィックカードは上位モデルから水冷ヘッド搭載のArcticStorm、AMP(Holo)、Trinity、Twin Edgeと言う順でラインアップがされています。

この中でZOTACの特徴とも言えるのがTwin Edgeシリーズと呼ばれるグラフィックカードで、GeForce RTX 3070でも長さが232mmに収まっているなど、他社に比べて比べるとMini-ITXなど小型PCには最適な製品がラインアップされています。

価格帯

ZOTACの製品に関してはTSUKUMO、ドスパラ、パソコン工房など大手の量販店で販売される事が多いことから最安値とまでは行きませんが、ZOTACも代理店大手のASKが取り扱っている関係から、発売直後の段階でも入荷量は多く、品薄の中でも販売が可能と言う状態になっている場合が多いです。

保証内容

ZOTACに関してもASKが正規代理店という事で1年の保証が付与されていますが、購入後1年以内にシリアル番号および購入証明書を提示した上で、4400円~22000円の延長保証料金を支払う事で2年の追加保証が受けられるようになります。そのため、最長3年間の製品保証が受けられます。

また、このZOTAC Careに入ると延長保証料金分のクーポンが返ってくるため、もしZOTAC製の製品を公式サイトで購入する際にはお得に利用する事が可能となります。

ZOTAC CARE 延長保証について|ZOTAC公式ダイレクトショップ

Palit

Palitの概要

Palitは1988年に台湾で創業したPCパーツメーカーで現在ではグラフィックカードやSSDなどを販売しています。企業形態としては非公開会社のため、売上高などは不明ですが、2013年頃にはASUSを超えるグラフィックカード出荷量を誇っていたようで、規模としては決して小さくないと見られています。

製品の特徴

Palitは上位モデルからGameRock、GamingPro、JetStream、Dual、StormXとラインアップされており、GameRockでは3連ファンな上に、表面には派手なクリスタル状の装飾が付けられています。一方で、GamingProも3連ファンであるものの、デザインとしては落ち着いたも似になっています。なお、グラフィックカード本体の設計としては基本的にNVIDIAのリファレンス仕様に準じたものになっています。

価格帯

Palitに関しては取扱店が正規代理店を兼ねるドスパラ以外で購入は基本的には出来ませんが、販売側が直接仕入れる事で無駄な中間マージンを省くことが可能となっているため、価格については最安値である場合が多いです。

保証内容

基本的には1年保証となっていますが、ドスパラが提供している安心ワイド保証に加入をすれば最大3年まで保証期間を延長する事が可能となっています。なお、安心ワイド保証はユーザー過失による故障も保証の対象となり、料金としては本体税込み価格に対して3年保証の場合は15%の価格を支払う事で延長が可能となります。

玄人志向

玄人志向の概要

玄人志向はこの中では唯一の国産メーカーで、CFD販売の傘下企業となっています。なお、このCFD販売はPC周辺機器でお馴染みのバッファローの親会社でもあるメルコホールディングスの一企業となっています。

取り扱う製品としてはグラフィックカードの他にインターフェイスカード、HDDケースの他にマニアックな製品も数多くあり、初心者にも優しいバッファローとは真逆の路線を行く製品が多くラインアップされています。

なお、ロゴとしては今はサングラスマークですが、数年前までは薄笑みを浮かべた黒サングラスの男でした。

製品の特徴

グラフィックカードの特徴としては香港のGALAXYと呼ばれるメーカーのOEM製品を取り扱っている場合が多く、GALAKURO GAMINGと言うブランド名で販売がされています。

また、GALAXの超ハイエンドモデルであるHall of Fameシリーズなども取り扱われています。

価格帯

玄人志向ではサポートがとにかく薄く、基本的にメールでの問い合わせのみとなります。その代わり価格については安い場合もありますが、2022年時点では価格状況が不安定な事や基本的にGALAXYのOEMを取り扱っている事もあり、ドスパラのPalitなどに価格面で負けている場合があります。ただ、保証内容については他のメーカーより充実している事もあり、この点まで含めるとお得になる可能性もあります。

保証内容

玄人志向のGALAKURO GAMINGでは標準で3年の保証期間が付与されており、標準で付与される保証期間としては長い分類になっています。

ただし、注意が必要な点としてはGALAKURO GAMINGのみ3年保証の対象であり、GALAXブランドで販売されているGALAKUROでは1年保証のみとなります。

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