GPU買ってEthereumマイニング!は要検討。EIP-1559とETH2.0問題

2021年4月20日現在、NVIDIAのGeForce RTX 3080を買ってEthereumをマイニングすると電気代を除いても月3万円近い収益が得られます。これを見て、GeForce RTX 3080を買わなきゃと思う人も居るかもしれませんが、その前にEthereumで起きる大きな変化であるEIP-1559とETH 2.0をご存じでしょうか?

熱を帯びるGPUでのEthereumマイニング

2021年に入ってから仮想通貨であるEthereum価格が大きく上昇しています。それに伴ってGPUを利用したマイニングにおいては、GPUそのものの投資回収期間が短くなり、手早く高い収益を得られる可能性が高まっています。そのため、世界各国では個人や組織で大量のグラフィックスカードを買い集めてマイニングリグを構築する人が増えているようです。日本でもグラフィックスカードを使ってマイニングリグを構築するYoutube動画が数多く上がっており関心が高まっていますが、今後数か月から1年以内にEthereumマイニングの収益面で起きるかもしれない変化をご存じでしょうか?

収益が最大30%減。迫るEIP-1559の適用

イーサリアム投資家必見:「EIP-1559」の重要性をDeribitアナリストが分析

EIP-1559’s impact — Is burning gas bullish for Ethereum? | Industry Analysis| OKEx

Ethereumではアカウント間で送金を行った際に、その処理を検証した対価として、手数料がマイナーに支払われます。その手数料のことをEthereum内ではGASと表現がされています。現在、この手数料の設定方法はオークションのような形が取られており、多く払うほど早く処理できるという単純なモノになっています。しかし、最近ではEthereum自体の価格上昇や取引の活発化に伴う混雑によって手数料を多く払わなければならない事態になっており、ユーザーの利便性を大きく損なっている状態となっています。

このような問題を改善する提案がEIP-1559と呼ばれるものです。

EIP-1559ではまずオークション形式の手数料が廃止され、基本手数料をベースとしたオークションに移行します。この形式では基本手数料はネットワークの混雑度に応じて自動で設定され、この基本手数料さえ払えば送金などは行える方法になります。一方で、より早く処理したい場合にはチップを払えば優先的に処理してもらえるオークションのようなものも残ります。

この変更により多くのユーザーにとっては手数料が明確になり、利用者側はいくら払う必要があるのか事前に確認する事が可能になります。

一方、EIP-1559の変更によってこのGAS(手数料)はマイナーには支払われず、焼却されるようになります。現在、イーサリウムのマイニングによって得られる利益の内40%はこの手数料であると言われていますが、EIP-1559によってこの大部分は失われる事になります。もちろん、優先的な処理を要求するチップはマイナーに支払われますが、それでもマイニングによって得られる収益は最大で30%程度下がる可能性があります。

なお、このEIP-1559に関してはマイニングによって得られるEthereumの量が減るため収益が減るという話になっていますが、EIP-1559によって利便性が上がり、Ethereum自体の価値が上がれば通貨換算では収益の減りはある程度相殺されるかもしれません。これに関しては、実際に始まって見ないとどうにもなりませんが、収益減少のリスクがあるという事は認識する必要があります。

GPUマイニングが終わるかもしれないEthereum  2.0

ETH Miners Will Have Little Choice Once Ethereum 2.0 Launches With PoS | cointelegraph.com

Ethereumでは現在、PoW(Proof of Work)と呼ばれるGPUなどコンピューティングパワーを利用して改ざんなどを防止しつつ取引内容を確認する方法です。簡単に言うと最も早くブロックをマイニングしたモノに報酬が支払われる仕組みで、BitcoinやEthereumなどコンピューターやASICなどでマイニングできる種類の方式です。

一方で、PoS(Proof of Stake)と呼ばれる方式も仮想通貨には存在しています。これは、仮想通貨の保有量を考慮してマイニングが行われ、通貨の保有量が多ければマイニング報酬を得られる可能性が高まる仕組みになっています。

Ethereumでは現在、GPUなどを利用してマイニングが出来るPoWが利用されていますが、2021年から2022年の間にPoSへ移行されたEthereum 2.0フルアップデートで実施される予定です。このEthereum 2.0に移行されればGPUなどのコンピューティングパワーでは無く、Ethereumの保有量に応じた報酬が得られるようになり、GPUで利益を上げる事は出来なくなってしまいます。

ちなみに、このETH2.0へのアップデート時期は上記で書いたように2021年から2022年予定と言う情報が大多数を占めていますが、大規模なアップデートになるため遅延する可能性も十分考えられます。

バブルは弾ける?

これに関しては、Ethereumに近々起きる変化ではなく、投資商品に関しては必ず付きまとうリスクで多くの人が認識していると思います。まず、仮想通貨ブームは2017年に一度発生しており、その時はBitcoinは右肩上がりでぐんぐんと上がりましたが、先物取引の開始後から下降気味に、2018年から2020年までは100万円台を行き来する停滞の時期が続きました。この時、EthereumなどもBitcoinに吊られて15万円近くまで値を上げましたが、その後は2万円を行き来しています。結果的に言うと、2017年の仮想通貨ブームはバブルでした。

では、2021年の仮想通貨ブームは単なるバブルなのか?これは分かりません。
ただ、確実に言える事は2017年に比べると世界的に仮想通貨が使える場面は増えてきており、通貨として機能を果してきているのも事実です。一方でまだまだ既存の通貨に比べたら10年程度と歴史が浅く、各国政府が規制する可能性やハッキングなど外的要因によって大きく影響を受ける可能性は高いと言えます。そのため、アメリカのS&P500や日経平均ETFなどに投資するよりは大幅下落のリスクはあると言えます。(リスクがある分、まだまだ大きく上がる可能性も秘めています)

 

Ethereumなどの仮想通貨マイニングではEthereumが現状のままであれば利益が得られる可能性は極めて高いと言えます。そのため、Ethereumマイニングに手を出してみたくなる気持ちも分かります。Ethereumの価格がグングンと上がっているのを見るとその気持ちは増幅されると思います。
しかし、これも投資の一種であるため衝動的に買うのではなく、事前調査や分散は重要になります。

もし、あなたが主にPCでゲームやレンダリングなどの用途でグラフィックスカードを使う予定があるのなら、ついでにマイニングと言う選択肢は良いかもしれません。そのような方であれば、グラフィックスカードがマイニング以外にも使う用途が存在しているため、リスクが分散できているとも言えます。

一方で、ゲームなどには興味ないがお金を稼ぎたいからグラフィックスカードを新たに買うという事には通常の株取引と同等のリスクがある事は認識しておいた方が良いと個人的には思っています。グラフィックスカードは現在、非常に高価である程度の利益を出そうと思うと1枚、十数万円するグラフィックスカードを購入する必要があります。この場合は恐らく投資回収をするには電気代を含めると約半年程度かかってしまいます。一方で、半年以内にEIP-1559は開始され、Ethereum自体の値動きも半年後はどうなっているかは一切読めません。もしマイニングで利益が取れず、グラフィックスカードが不要になった際には同じ様にマイニングをしていた人がヤフオクなどで投げ売りする可能性もあります。このように、投資に対してリスクは多く存在しているため、Ethereumや仮想通貨全体の動向などを一度リサーチした上で判断する事を強くお勧めします。

リサーチした結果、マイニングは自分が許容できるリスクの範囲内であるのならグラフィックスカードを買う戦いから始める事になるので、各パソコンパーツショップのTwitterなどをフォローする事をお勧めします。

ちなみに、マイニングする場合はパソコンの冷却を一度見直す方が良いかもしれません。特にGeForce RTX 3080やRTX 3090をマイニングで利用するとVRAMの温度が115度ぐらいまで上昇するようです。(特にRTX 3090の裏面に搭載されているVRAMが酷いみたいです)

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