AMD Radeon RX 6000シリーズのAIB供給価格を値上げ。価格上昇に拍車

AMDのRadeon RX 6000シリーズについては2021年11月初旬時点で市場価格が定価の2倍程度で売られていましたが、AMDが今後AIB側に対してRadeon RX 6000シリーズのGPU価格を10%程度値上げして供給する見込みとなっています。

既に定価の2倍近いRadeon RX 6000シリーズが更に値上がりする可能性

 

欧州でのグラフィックスカード量販価格を調査している3DCenterやHardwareUnboxedによると2021年11月上旬に記録されたAMD Radeon系グラフィックカードで定価の2倍、NVIDIA GeForce系で1.9倍に及ぶ値上がりは11月下旬になっても続いており、AMD Radeon系グラフィックカードについては2倍から1.9倍に若干低下したものの、NVIDIA GeForce系グラフィックカードについては1.95倍に値上がりが記録されています。

このようにグラフィックカード市場では悲惨な販売価格での取引が常態化しつつありますが、半導体業界のリーク情報などを扱う『Boardchannels』に投稿された内容によると、AMDがRadeon RX 6000シリーズのAIB供給価格の値上げに踏み切るという情報が出現しているようです。

AMDはRadeon RX 6000シリーズのAIBへの供給価格を10%値上げする見込み

Boardchannelsに投稿された情報によると、AMDではRadeon RX 6000シリーズGPUについてAIBへの供給価格を10%程度、価格にすると20ドルから40ドル程度の値上げを行う事を通知したとの事です。この値上げの実施時期については、どの時点かは不明ですが、「次の供給分から即時行われる」との事です。

この10%の値上げを行う理由については、Radeon RX 6000シリーズGPUを製造するTSMC側のコスト上昇とそれに伴う製造価格の値上げが原因と見られています。TSMCについては8月下旬に半導体価格を最大で20%程度の値上げを行うと報道されており、その前には2022年から8inchと12inchのウェハー価格を10~20%値上げすると伝えられています。

AMDとしては、NVIDIAなどライバルのグラフィックスカードが全体的に値上がりしており、コスト上昇分を吸収する必要性は全く無くそのままAIBにコストを転嫁した格好になっています。

今後、AIB側としては卸売価格を上げての対応を取ると見られており、AIBへの供給価格は10%(20~40ドル)値上がりとなっていますが、卸売りから量販店、そしてユーザーの元に届くまでに様々なマージンも発生するため、日本での値上げ幅としては良くて5000円、最悪1万円程度になるかもしれません。

需要高によってAMDもNVIDIAもグラフィックカード市場価格は上昇へ

アメリカでは感謝祭(Thanksgiving)と最もモノが売れるBlack Friday、アメリカ含めて世界的にもクリスマスなど年末にかけて様々なモノが売れる時期になっています。

自作PC業界的にも次期グラフィックカードの発売まで1年近くある事や、BF2042やCoDなどメジャータイトルの発売、Alder Lakeの発売など自作PCユーザーが最新のグラフィックカードを求める動機は2021年末にかけて多くあります。

一方で、EthereumのPoWからPoSへの移行も大きく遅延している事や仮想通貨価格の上昇も災いして、グラフィックカード全体の価格は定価の2倍付近になっていますが、需要が落ちる気配は全くありません。

そのため、NVIDIA製グラフィックカードについては10月時点に比べてアメリカでの価格は平均6%、RTX 3090などに関しては元値が20万円程度するにもかかわらず10%の値上げが観測されています。

今回問題のAMDについてはNVIDIA製グラフィックカードより値上げ率が高く、主力製品であるRX 6800系やRX 6700 XT、RX 6600 XTは軒並み10月に比べて10%以上の値上げを記録しています。この値上げ率に加えて早ければ12月頃からAIBへの供給価格が10%追加された価格が反映されると見られており、Black Fridayや年末需要によって在庫数が少なくなることから12月から1月にかけてAMD製グラフィックカードについては市場販売価格の大幅な高騰が観測されるかもしれません。

 

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相変わらずグラフィックカードについては新商品の話はあるものの、販売価格については悪い知らせしか入ってきませんね・・・

グラフィックカードについては、AMDやNVIDIAやAIBなどメーカー側、卸売りや量販店など小売り側も今の価格でも売れるのであれば特に下げる努力と言うのは必要ありません。そのため、需要が一巡してグラフィックカードが殆ど売れない状態、株式市場で言う所のバブルが弾けるぐらいの事が起こらないと元の状態には戻らないかもしれません。

2017年にグラフィックカードが大幅高騰した際も、仮想通貨市場が大暴落しそれに伴い中古グラフィックカードの投げ売りや新品グラフィックカードの需要が蒸発しました。それがきっかけで小売店側などは値下げする動機に繋がりましたが、今回のグラフィックカード大幅高騰もEthereumでのマイニングが意味を成さなくなるPoSへの完全移行が行われるなど大きなキッカケが無いとどうしようもならないと思います。

ちなみに、Ethreumについてはマイニングが不可能なPoS移行は2021年上旬ごろには2021年末から2022年初旬と言われていましたが、バグやEthereum価格の高騰に伴い開発者側がより慎重にならざる得ない状態になった事から2022年6月頃まで延期がされています。

また、マイニング難易度を上げる(≒マイニング利益が減る)難易度爆弾と言う機能も2021年12月に投入する事が検討されていましたが、これも2022年5月まで延期されるという話が出ています。そのため、その次のステップであるPoS移行についてもこのままズルズルと時間が過ぎて結局2022年末を超えてしまうのではないかと個人的には考えています。となるとRTX 4000シリーズやRadeon RX 7000シリーズもマイニング需要で値上がりと言う最悪な事態もあり得そうです。

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